貯蓄に加え、増やすために「資産運用」を選ぶ人が増えてきています。
投資初心者が始めやすい、つみたてNISAは注目を集めています。
投資知識がない人でも挑戦しやすいという、つみたてNISAです。
どのような制度なのか、そのしくみ、メリット・デメリットを紹介します。
Contents
つみたてNISA
つみたてNISAは、積立投資専用の少額投資非課税制度で、2018年1月からスタートしました。
NISAと同じように、投資で得た利益を非課税で受け取ることができる制度です。
投資で得た利益には20.315％の税金がかかります。
NISAを利用すると非課税で受け取ることができるのです。
つみたてNISAは、投資上限額は年間40万円で、非課税期間は最長20年です。
2037年までの時限措置でしたが、2020年度税制改正で2042年まで延長されます。
投資を始めた年から20年も非課税の恩恵を受けられます。
長期でじっくり運用することができます。
つみたてNISAとNISAとの違い
つみたてNISAは、毎月口座から契約当初に自分で定めた額が引き落とされ、あらかじめ選んでおいた金融商品を自動的に買い付ける積立投資です。
購入できる金融商品は、投資信託・上場株式投資信託（ETF）のみで、あらかじめ金融庁の定めた基準によってふるいにかけられたものに限られています。
積立額の上限は、毎月3万3,333円（40万円÷12月）、非課税期間は20年。
ちょっとずつ積み立てて息長く運用していくのが、つみたてNISAの特徴といえます。
NISAは2023年で一度期限を迎えます。
2020年度の税制改正で延長されることになりました。
非課税投資期間の5年がたった商品でも、翌年の非課税枠に移管すれば5年以上保有することもできます（ロールオーバー）。
金融商品の種類が豊富なので、投資知識がある人や投資経験のある人に向いている制度です。
| つみたてNISA | 一般NISA | |
| 非課税期間 | 20年 | 5年 |
| 非課税投資枠 | 40万円 | 120万円 |
| 投資方法 | 積立方式 | 積立方式・スポット購入 |
| ロールオーバー（※1） | 不可 | 可能 |
| 投資対象 | 金融庁が定めた基準を満たした投資信託 | 国内株式・海外株式・投資信託 |
初心者におすすめな理由
初心者におすすめな理由は、投資信託の性格と、積立投資のしくみにあります。
投資信託とは、さまざまな銘柄の株式や債券などに分散投資をしてくれる金融商品です。
投資家たちから集めた資金をもとに、ファンドマネージャー（運用会社の投資担当）がどの銘柄に投資をするか選んで運用してくれます。
そのため投資信託は、初心者でも始めやすい投資商品です。
運用のプロに任せられるとはいえ、そもそも投資信託の値段（基準価額）は毎日変動します。
投資は、安いときに買い、高いときに売ると利益を得られます。
タイミングを読むのは難しく、初心者には今の価格が安いのか高いのかさえもわかりません。
つみたてNISAは、投資信託を選び積立金額を設定すれば、毎月自動的に買い付けてくれます。
タイミングに悩む必要もありません。
投資に詳しくなくても始められるので、つみたてNISAは初心者に向いている制度といえます。
利用条件
つみたてNISAを利用するための要件は、基本的にNISAと同じです。
日本在住で20歳以上の人であれば、誰でも始めることができます。
証券会社、銀行などつみたてNISAを取り扱う金融機関で、非課税口座を開設しましょう。
非課税口座は1人1口座しか開設できません。
NISAとつみたてNISAの併用はできないので、どちらかひとつを選びます。
開設後は一年に一回、一般NISAとつみたてNISAを切替えることはできます。
原則として変更する年の前年の10月から当年の9月の間に、変更手続きを完了する必要があります。
つみたてNISAの非課税枠は毎年更新され、その年の非課税投資枠が余っても、
翌年に繰り越すことはできません。
メリット
誰もが長期的な資産形成をできるようにと、金融庁が導入を決めたNISA。
NISAのメリットは、投資によって得られた利益が非課税になるという点。
利益には、購入価格と売却価格の差額で得られる譲渡益と、保有中に発生する分配金があります。
これらの利益に対して、20.315％の税金（所得税＋住民税＋復興特別所得税）がかかります。
NISA口座を利用していると、この税金がゼロになります。
資産を効率よく増やすためには、うまくNISAを利用しましょう。
コストが低い投資信託に限定
つみたてNISAは、ほかの投資信託に比べ、運用コストが安いのが特徴です。
投資信託を購入する際にかかる、購入時手数料（販売手数料）。
一般的に、3％前後程度かかるものが多いです。
つみたてNISAの場合は、購入時手数料はすべてが0円です。
投資信託を保有している間にかかる、運用管理費用（信託報酬）、という手数料があります。
これは投資信託を管理・運用するための費用であり、投資信託ごとに「純資産総額に対して年利〇％」と示されています。
これは年に一度引かれる手数料という意味ではなく、日割り（365分の1）が毎日少しずつ差し引かれるというものです。
投資信託を保有中ずっとかかるランニングコストのため、じわじわと運用成果に影響を与えます。
つみたてNISAは、運用管理費用が一定以下でなければならないという厳しい基準が設けられているため、コスト負担が抑えられた長期の資産形成に向いた投資信託といえます。
デメリット
金融商品の種類が少ない
つみたてNISAの購入対象商品は、金融庁が選定した投資信託と上場株式投資信託（ETF）のみ。
インデックス型の投資信託約156本、アクティブ型の投資信託が約18本、
上場株式信託（ETF）が7本の約181本です。
厳選されているため投資初心者にとっては選びやすいラインナップです。
まとめ
今回は、つみたてNISAのメリットとデメリットについて紹介しました。
- つみたてNISAとは
- メリット
- デメリット
積立投資、というと難しく聞こえます。
資産を、少しずつ積み立てて増やす方法と考えれば、ハードルが低く挑戦できそうな気がします。
老後資金と遠い未来のためでなくとも、結婚資金、子育て資金など、
少し先の将来で必要なお金のために、つみたてNISAを取り入れることを考えてみませんか。
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