皆さんは自分の勤めている会社の退職金制度について理解していますか？
定年まで働いた後に、自分がもらえる退職金がいくらぐらいか把握していますか？
退職金は会社が用意してくれる老後の生活ための大切な資金源です。
退職金の種類や制度について紹介します。
Contents
退職金の制度について
退職する従業員に会社が支給する給付金のことを、退職金といいます。
退職金の支給方法には、退職時に一度にまとめて支給する一時金、
定期的に給付する年金の２種類があります。
退職一時金制度・企業年金制度をまとめて、退職金制度といいます。
退職金制度にはいくつかの種類があります。
種類によって退職金の支給の時期、支給の仕方、支給者の積立方法などに違いがあります。
退職一時金
退職一時金は、退職金規程で定められた金額を、退職時に会社が一括で支払うものです。
会社は毎年の退職者に対する一時金支給のために、その原資を積立てています。
退職一時金の支給額の計算は、退職金規程に定められています。
一般的には勤続年数や役職や資格などによって異なってきます。
定年退職、自己都合退職、会社都合退職、退職事由によっても支給額は違ってきます。
定年退職の方が自己都合退職よりも多く支給されます。
早期退職金制度のように、会社都合の事由では、上乗せ支給がされます。
定年退職よりも多めに支給されることもあります。
従業員に対する退職金の支給に備えた積立てについてはいくつかの手段があります。
中小企業と大企業によって導入する制度が異なってきます。
企業年金制度
中小企業の場合には、独自に会社の内部留保として積立てている場合もあります。
法人向けの生命保険、退職金共済制度を活用している場合も多く見受けられます。
退職金共済制度は、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する中小企業退職金共済です。
退職金共済や商工会議所等が運営する特定退職金共済という制度もあります。
中小企業退職金共済、特定退職金共済は、懲戒解雇などの場合を除き、
従業員であれば誰にでも掛金に応じた額が支給されます。
定年退職と自己都合退職で給付に差をつけることはできません。
大企業の場合は、確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度を導入しています。
確定給付企業年金制度
会社が掛金として、毎月金融機関等に拠出し積立を行います。
従業員に支給する退職金の給付金額が確定している制度のため、運用リスクは会社が負担。
積立て不足の問題が起きる可能性があるため、慎重に制度設計する必要があります。
確定拠出年金制度
従業員のために決められた額の掛金を会社が拠出し積立てを行います。
退職金の支給金額については従業員自らが資産運用した結果によって決まります。
運用リスクは従業員が負担。
運用リスクの負担の違いがあります。
会社負担が、確定給付企業年金制度。
従業員が負担が、確定拠出年金制度。
大きく違うところです。
確定拠出年金制度は、従業員が運用リスクを負います。
資産運用に関する知識をしっかり持っていなければ、十分な額の退職金を作ることはできません。
資産運用に失敗すると、自分が期待している退職金よりも少ない支給額になる可能性があります。
退職金の給付は、60歳以降に年金で支給されます。
規約で定められていれば一時金として受け取ることもできます。
退職金の相場
退職金は相場としてどれくらいもらえるのでしょうか。
厚生労働省の調査結果を参考に見てみます。
平成30年度１年間の平均退職金支給額を退職事由別にみてみます。
調査産業計で、定年退職1,214万円、会社都合1,300万円、自己都合414万円となっています。
製造業では定年退職1,142万円、会社都合1,175万円、自己都合321万円となっています。
男性定年退職者の退職金支給額を学歴、勤続年数別にみてみます。
調査産業計で大学卒は勤続35年で2,158万円、同一企業で定年退職するまで勤務で2,290万円、
高校卒は勤続35年で1,640万円、 同一企業で定年退職するまで勤務で1,859万円となっています。
製造業で大学卒は勤続35年で2,086万円、同一企業で定年退職するまで勤務で2,358万円、
高校卒は勤続35年で1,540万円、同一企業で定年退職するまで勤務で1,797万円となっています。
大企業と中小企業の違い
退職金は会社の規模によっても異なってきます。
大学・大学院卒で35年以上勤続者の退職金の平均額は、全体では2,173万円。
1,000人以上の大企業では2,435万円。
1,000人未満の中小企業では2,000万円に届かない状況です。
まとめ
今回は、退職金とはどんな制度？退職金の相場、大企業と中小企業の違いについて紹介しました。
- 退職金制度について
- 退職金の相場について
- 大企業と中小企業について
退職金は老後の生活のための大切な財源になります。
自分の会社の退職金制度を理解し、およそいくらの退職金が見込めるのかを把握しましょう。
想定される退職金では老後の安定した生活を確保できないような場合には、自助努力として今からいくら積立てておくべきかを検討します。
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老後生活を豊かに楽しく暮らすためには、早めにライフプランを作ることをお勧めします。
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