iDeCoは属性や企業年金の有無などによって、加入できる期間や掛金の上限などが異なります。
会社員の方はこの機会に、勤務先の退職給付制度(退職一時金や企業年金)について調べていきましょう。
加入できるタイプはどのタイプになるか?それぞれ見ていきます。
自分が当てはまる部分だけを見ていただいても大丈夫です。
国民年金の第1号被保険者、会社員(企業年金なし)、会社員(企業型DCに加入)
について紹介します
iDeCoに加入できるタイプ
国民年金の第1号被保険者
国民年金の加入者第2号被保険者、第3号被保険者意外の人はすべて第1号被保険者になります。
自営業とその家族、学生など、自分で国民年金保険料を負担する人のほか、雇用されていても
厚生年金に加入していないパートタイム労働者やアルバイトなども含まれます。
iDeCoは公的年金に上乗せする年金という位置づけなので、iDeCoに加入するには、
国民年金の保険料を納めていることが条件になります。
国民年金保険料を滞納していたり、免除を受けていたりする人は利用できません。
逆に、国民年金保険料を納めていれば、20歳以上の学生や無職の人でもiDeCoには加入できます。
iDeCoに加入したあとに、国民年金保険料を滞納したり、免除の申請をした場合には、
掛金を受け取ってもらえずに加入者に返却され(還付と言います)、それに伴い手数料を支払わなくてはなりません。
※還付する手数料として、一般に還付金から1,488円が差し引かれます。所得控除を受けている場合には、確定申告の修正申告が必要になります。
なお、障害基礎年金を受給中で、国民年金保険料を納付していない人はiDeCoに加入できます。
会社員(企業年金なし)
確定給付企業年金(会社が拠出から運用、管理、給付までの責任を負う確定給付型の企業年金)や
企業型DCといった企業年金制度がない会社に勤めている会社員をいいます。
中小企業やベンチャー企業にお勤めの方などが多いかもしれません。
このタイプの人は、全員iDeCoに加入できます。
※中小企業退職金共済(中退共)は企業年金制度に含まれないため、iDeCoに加入できます。
会社員(企業型DCに加入)
勤務先の企業年金が企業型DCのみという会社員をいいます。
・企業型DCとiDeCoの同時加入ができるように
企業型DCに加入している会社員がiDeCoに加入するには、勤務先の会社が企業型DCの規約で
iDeCoに加入できることを定めたり、会社が支払う掛金(事業主掛金)の上限を引き下げたり
する必要があり、大部分の企業型DCの加入者はiDeCoに加入できませんでした。これが変わります。
2022年10月からは、企業型DCの規約の定めや会社の上限の引き下げがなくても、
原則誰でもiDeCoに加入できるようになります。
・マッチング拠出かiDeCo加入かを個人で選択可能に
事業主掛金に上乗せして、自分で掛金を上乗せする「マッチング拠出」を実施している企業に
勤めている会社員はiDeCoに加入できませんでしたが、こちらも変わります。
2022年10月からは、「企業型DCのマッチング拠出を利用するか」「iDeCoに加入するか」
を自分で選択できるようになります。
・選択制DC加入者も同時加入が可能に
選択DCとは、一般的な企業型DCのように会社が掛金(事業主掛金)をだすのではなく、
自分の給与や賞与の一部をライフプラン手当等に振り替え、DCの掛金に充当するか、
給与として受け取るかを従業員が決める制度のことをいいます。
選択制DCを実施している企業の従業員は、選択制DCに加入しないことを条件にiDeCoに加入することができました。
2022年10月以降は、選択型DCとiDeCoの合計額が拠出限度額の範囲内であれば両方加入できます。
※2022年10月に確定拠出年金の法令解釈通知が改正・施行され、選択制DCを実施する事業主に
「社会保険・雇用保険等の給付額にも影響する可能性も含めて、従業員に正確な説明を
行う必要があること」とされました。
まとめ
iDeCoに加入できるタイプについて紹介しました。
国民年金の第1号被保険者は、国民年金保険料を納めていれば、20歳以上の学生や無職の人でもiDeCoには加入できる
会社員(企業年金なし)は、企業型DCといった企業年金制度がない会社に勤めている会社員をいい、中小企業やベンチャー企業にお勤めの方などが多く、全員iDeCoに加入できます。
会社員(企業型DCに加入)は、2022年10月からは以下の3つができるようになります。
⒈企業型DCとiDeCoの同時加入ができるように
⒉マッチング拠出かiDeCo加入かを個人で選択可能に
⒊選択制DC加入者も同時加入が可能に
今回はiDeCoに加入できる7タイプのうち3タイプを紹介しました。
次回、残りのタイプを紹介していきます。