iDeCoは、長期・積立・分散の考え方を取り入れて、リスクを抑えながら運用によって老後資金を効率的に準備できる仕組みになっています。
iDeCoで積み立てたお金は、60歳になるまで引き出せません。
長期の運用が前提になっている制度なのです。
掛金は、個人の働き方などに応じて設定された年間限度額の範囲内で、加入者自身が決めます。
分散は、掛金を運用する金融商品を組み合わせることによって行います。
金融商品の組み合わせを決めるのも加入者自身です。
金融商品選びが難しいと感じる最大の理由、商品の内容がよくわからない。
今回は、初心者が知っておきたい商品選びを、わかりやすく紹介します。
Contents
元本確保型商品と投資信託の2種類がある
iDeCoで貯めたお金は60歳まで引き出せません。
掛金は無理のない範囲で決定し、運用商品は選ぶことが難しいと感じる人が多いようです。
iDeCoが初めての人は、銀行や証券会社などの金融機関(運営管理機関)から、
送られてくる説明資料を読み込んで、自力で組み合わせることなど、難しく思えるかもしれません。
運用商品選びが難しいと感じる理由は、商品の内容がよくわからない、という意見が多いです。
多くの金融機関ではiDeCo向けに10〜20本程度の商品を用意しています。
各金融機関が取り扱う商品を大まかに整理すると、6つの項目に分けることができます。
元本確保型
①定期預金、保険
満期まで保有すれば元本割れなし、安全・確実に運用できます
(定期預金はいつ解約しても元本割れはしません)
投資信託
②国内株式
③国内債権
④外国株式
⑤外国債権
⑥バランス型
投資信託は皆さんから集めた資金をファンドマネージャーという運用のプロが、事前に定められた方針に則って株式や債券など値動きのあるものに分散投資する商品です。
運用がうまくいけば元本確保型より高い収益を得ることができます。
運用がうまくいかないと元本割れになってしまうことがあります。
投資信託は投資対象によりリターンとリスクが異なる
投資信託は、株式と債券に分かれます。
投資対象地域は、国内と外国に分かれます。
分類する理由は、投資信託がどの資産(株式か債券か)や地域(国内か外国か)を投資対象とするかにより、期待できるリターンと損失のリスクが大きく異なるからです。
投資では高いリターンを期待すると、想定すべき損失リスクも大きくなります。
リターンをあまり追求しなければ損失のリスクも抑えられます。
2種類の投資スタイル
投資スタイルによる分類で、パッシブ型とアクティブ型の2種類があります。
国内株式型の投資信託でもパッシブ型の運用と、アクティブ型の運用があります。
パッシブ型は、投資対象とする市場の動きを示す代表的な指標(インデックス)と、同じ値動きを目指して運用する手法です。
インデックス型ともいわれます。
国内株式型でパッシブ型の運用では、日経平均株価またはTOPIX(東証株価指数)といった指標と連動する値動きを目指すものが多いです。
アクティブ型は、投資対象とする市場のインデックスを中長期的に上回る運用成果を目指します。
国内株式に投資する投資信託であれば、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)を上回るリターンを得ることを目指します。
ファンドマネージャーなどの運用の専門家が、独自の視点と分析で高い成長性が期待できる銘柄(企業の株式)を複数選んで運用します。
資産分散でリスク軽減
資産配分を考える理由は、元本確保型商品と投資信託で、期待できるリターンと損失リスクが異なるからです。
例えば、掛金すべてを定期預金だけで運用するのはどうでしょう。
元本割れしない点で確実な運用ではありますが、投資信託に比べてリターンは期待できません。
ある程度のリターンを期待するなら、投資信託での運用も考えたいところです。
掛金すべてを外国株式型の投資信託で運用するのはどうでしょう。
期待できるリターンは大きいですが、反面、想定すべき損失リスクも大きくなります。
投資信託で運用する場合には、複数の投資対象に振り分けることを考えてみます。
一つの資産や地域に集中して投資信託を選ぶと、それが値上がりすれば大きな利益が得られますが、値下がりすると損失も大きくなります。
異なる資産や地域に分散する形で投資すると、複数の投資信託のうち、どれかが値下がりしても、ほかの値上がりにより損失のカバーが期待でき、全体として大きな値上がりは期待できないかわりに、値下がりのリスクも小さくなるのです。
分散投資は、積み立てで長期的に続けるほど効果が高まります。
iDeCoは、制度として長期に積み立てをする仕組みになっています。
商品選びの際、異なる複数の投資対象に分散投資するように、投資信託を組み合わせれば、
リスクを抑えつつ、一定の成果も期待でき、老後資金作りができると考えられます。
まとめ
今回は、iDeCo初心者が知っておきたい商品選びについて紹介しました。
- 元本保証型と投資信託について
- 投資信託のリスクとリターンについて
- 2種類の投資スタイルについて
- 資産分散でリスク軽減について
iDeCoの金融商品を選ぶ際には、iDeCo以外の保有資産も含め、
全体のバランスを考慮することも重要です。
元本確保型の金融商品しか持っていない人は、iDeCoでは投資信託での運用にチャレンジしてみるのもよいでしょう。
自分で資産配分を考えるのが難しければ、バランス型の投資信託が選択肢になります。
一度決めた商品や資産配分は年1回であれば変更することができます。
投資経験が無いので最初は元本確保型の割合を多くしたという人も、
投資に慣れてきたら投資信託の配分を多くすることなどを考えてみるのもよいでしょう。